|
原油高をきっかけにした原材料価格の高騰で、経営が行き詰まる企業が急増している。帝国データバンクによると、原材料高が原因の倒産は2008年上半期(1〜6月)だけで235件に達し、すでに昨年1年間の総件数(229件)を突破した。原材料高のダメージを受けている業種は、建設、漁業、流通、外食、ガソリンスタンドと枚挙にいとまはなく、産業界総崩れのような状況だ。帝国データバンクでは「どこまで倒産が増えるのか。近年まれにみる状況」と危機感を募らせている。 原油高の影響がモロに出ているのが、ガソリンだ。7月にはレギュラーガソリンの店頭価格の全国平均がついに1リットル=180円を突破し、8月は180円台後半をうかがうとみられる。 原油高はガソリンを含めた石油製品だけではなく、穀物、資材など原材料価格の高騰も招き、それが産業界を直撃している。 ここ2カ月間を振り返ってみても、鹿児島県のマグロはえ縄漁業「峯元水産」(資本金2000万円、負債総額20億円)がマグロ漁獲量が低下するなか、漁船の燃料費高騰が追い打ちとなり、6月11日に破産手続きを申し立てた。 埼玉県の合成洗剤メーカー「平野油脂」(同2100万円、同15億円)も、原材料価格高騰分を価格転嫁できず、7月11日に破産手続きを申し立てた。 5日前の7月31日には、広島の土木・建築業「肥海(ひがい)建設」(同9800万円、同40億円)が受注単価の低下のなか、資材価格高騰のあおりを受けて民事再生法の適用を申請した。 ほかにも、ガソリン価格高騰による車離れから地方のホテル、旅館、アミューズメント施設なども続々と経営破綻している。 「事態は目を覆いたくなるほど深刻」と話すのは、帝国データバンク情報部の中森貴和課長。 同社の調査によると、原材料高が原因の倒産(負債総額1000万円以上)は08年上半期で235件に達した。前年同期が93件だから2倍以上の急増ぶりで、昨年1年間の229件を早くも上回っている。 同社の倒産集計は、民事再生法の適用申請など法的処理に至ったケースを集計対象にしており、債権者と債務者の話し合いで会社を清算する廃業などの私的整理は含まない。私的整理も含めると、原材料高による倒産件数はさらに増えることになる。 「石油製品や穀物の価格などさまざまな価格が上昇していますが、これで得をするのは商社ぐらい。それ以外の業界はすべて悪影響を受けているといっていいでしょう」(中森氏) 事実、5日までに出そろった大手商社の08年4−6月期連結決算では、原油などの市況高騰を背景にして三菱商事、住友商事、丸紅の3社が過去最高の最終利益を達成した。 一方、建設業界は「鋼材などの資材が2倍の水準」(中堅デベロッパー幹部)に跳ね上がって、利益を大きく圧迫。居酒屋などの外食業界も、給与水準の低迷による節約意識の高まりと原材料高のダブルパンチに見舞われている。 安さがウリのスーパー、競争が激しいクリーニングやガソリンスタンド、安値受注が構造化する運送などはさらに厳しい。商品や受注価格に原材料価格の高騰分を転嫁できればいいが、顧客や消費者離れを考慮するとそれもままならない。 「もちろん、大手企業など強い立場のところはこんな状況でもしのげますが、内部留保もなくギリギリでやりくりする中小・零細企業は悲惨です。大手から受注価格を下げられ、その一方で原材料高に襲われ、板挟みになる。力尽きる企業のほとんどがこのケース」(中森氏) 当面の危機を回避するため、金融機関からつなぎ融資を受けられればいいが、「貸し倒れになりかねないだけに銀行としても『貸したくても怖くて貸せない』のが本音」(同)とか。 いうまでもなく、日本経済を支えているのは一握りの大企業ではなく、中小・零細企業だ。原材料費高騰に歯止めがかからないなかで、景気が後退局面を迎えたらどうなるか。日本は、力尽きた中小・零細企業が死屍累々と横たわる“倒産列島”になりかねない。それは日本の産業界の“死”を意味する。 ZAKZAK 2008/08/05 1ヶ月おきくらいに税金取らないようにすればいーじゃんね
|